【第43期囲碁名人戦第7局2日目】張栩挑戦者が名人獲得!!井山名人は五冠に後退【棋譜】

第43期囲碁名人戦第7局

11月2日(金)に「第43期名人戦第7局2日目」が行われました。

場所は静岡県河津町「今井荘」です。

 

1日目の棋譜と感想はこちら。

»【第43期囲碁名人戦第7局1日目】いよいよ井山対張栩の最終決戦!実利と厚みの戦いになりました!【棋譜】

 

1日目は井山名人が徹底した実利作戦を見せ、極端な実利と模様の対決となりました。

張栩挑戦者にしては珍しい大模様の打ち方だと思います。

 

勝った方が名人獲得という超大一番で、このような思い切った打ち方ができるということは、井山名人の調子は決して悪くないと感じますね。

普段やらないような打ち方はとても勇気がいりますから。

 

封じ手の局面は、白の巨大な大模様に黒が入っていった緊迫した局面。

黒に対する攻め方が決まる難しい場面での封じ手となりました。

 

井山名人が意地を見せて名人のタイトルを守りきるのか!?

張栩挑戦者が10年ぶりのタイトル獲得を成し遂げるのか!?

 

大注目の第7局の結果を早速みていきましょう!

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囲碁名人戦第7局の結果:白番張栩挑戦者の4目半勝ち!

結果は白番張栩挑戦者の4目半勝ち勝ちでした。

棋譜はこちらです。

 

封じ手予想は外れ。

とても手広い局面だったので、当たらないのは想定済みです笑

 

張栩挑戦者が激戦を制して勝利!!

10期ぶりの名人獲得となりました。

最後のタイトル戦は2013年の棋聖戦なので、7大タイトル獲得も5年ぶりとなります。

 

本当に難しい碁でした。

封じ手の場面では、黒がどれくらい攻められるかがポイントと思っていたのですが、張栩挑戦者はあっさりと黒を生かす打ち方を選択。

 

さすがに黒が悪くないと思いましたが、白も意外と地があって形勢は決して遅れていません。

終盤に入っても、冷静にじっくりとしたヨセを打ち、地合いで先行する黒にぴったり付いていきます。

 

黒がわずかに厚いか、という形勢の中、井山名人にミスが出て白の花見コウが発生。

張栩挑戦者が正確な形勢判断でコウを解消し、勝利を決めました。

 

井山名人は最後のミスがとても悔やまれます。

正しく打っていて形勢がどうなのか、はっきりしたことは分かりませんが、私は黒がわずかにいいのかなと感じていました。

超過密スケジュールの中での名人戦となりましたので、体力的にも厳しい面があったのかもしれません。

 

張栩挑戦者は地合いで先行されても慌てず付いていき、最後は鮮やかに抜き去る、横綱相撲のような打ちぶりでしたね。

心身ともに充実している証拠だと思います。

本当に強い張栩名人が戻ってきた印象です。

 

まとめ

 

歴史に残る七番勝負だったと思います。

井山名人、張栩挑戦者ともに力を出しきり、素晴らしい内容の碁が多くありました。

 

 

井山名人は碁聖に続き、名人を奪われ、五冠となりました。

現在並行して行われている天元戦は1勝1敗、王座戦は1敗となっており、どちらも少し苦しい展開です。

調子を落としているようにも感じますので、もしかするとこのままズルズルと失冠する可能性もなくはありません。

 

とはいえ、ここまでタイトル戦の修羅場を何十回もくぐり抜けてきた井山名人。

しっかりとコンディションを整え、また素晴らしい碁を見せてくれると期待しましょう。

 

張栩挑戦者は本当に充実しているように感じました。

1勝3敗となった時点では、さすがに勝負はついたかなと思いましたが、そこから3連勝するというのは、すごいの一言です。

 

七番勝負が進むにつれて内容がどんどん良くなっていった印象です。

井山名人に勝ちを重ねるごとに、苦手意識が払拭されていったのかもしれません。

 

少し先の話になりますが・・・来年の名人戦でも張栩対井山の対決を見てみたいですね。

井山名人以外にも強い棋士はたくさんいるので、挑戦者争いは熾烈を極めると思います。

名人戦が終わったばかりですが、来年は一体誰が挑戦者になるのか今から楽しみです。

 

張栩新名人、タイトル獲得おめでとうございます!

井山前名人、本当にお疲れ様でした!

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次の記事でまたお会いしましょう!

 

 

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★第43期名人戦の他の対局をまとめました!★

 

過去のタイトル戦や古碁の棋譜は、こちらのページにまとめています。

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