【囲碁】詰碁が解けない!解き方のコツを解説します 【級位者向け】
今日はたくさんある囲碁の勉強法の中で、一番有名と思われる「詰碁」について書きたいと思います。
ターゲットは、囲碁を始めて半年〜1年くらいの級位者を考えています。
級位者で詰碁に関する悩みといえば次のようなものが多いでしょうか。
囲碁の勉強として詰碁をやっているんだけど、難しくてなかなか進まない・・・
先を読むとか意味が分からないし、解き方のコツのようなものがあれば教えてほしい。
この記事では、詰碁の解き方のコツ、詰碁を解く理由などについて、解説しています。
詰碁を解くことで囲碁には欠かせない読み力が身に付くので、棋力アップのペースもグッと上がります。
詰碁に対して苦手意識を持たれている人も多いと思いますが、この記事を読んで詰碁は怖くないと思ってもらえると嬉しいです。
内容の信頼性ですが、私は棋力五段程度で、学生時代は全国大会にも出ています。
詰碁が得意というわけではないですが、相当数の問題を解いてきていますので、その経験も踏まえて書きます。
今考えると過去の自分に教えてあげたいコツもありますので、合わせて紹介しますね。
詰碁は基本形を覚えれば簡単に解けるという話
いきなりですが、詰碁はパズルです。
- 生きる場合は2眼を作る
- 取る場合は2眼を作らせない
突き詰めれば、詰碁で考えることはこれだけです。
(コウが結果というややこしい問題もありますが、一旦置いておきます)
詰碁を解くためには基本形を知る必要がある
この詰碁というパズルには「基本形」というパターンのようなものが存在します。
そして、級位者はこのパターンの存在を知らないことが多いです。
逆に、有段者や高段者はパターンを知り尽くしているので、「この形だったらこのパターン」というのを瞬時に判断できます。
難しい詰碁になると、パターン通りにいかない問題も出てくるのですが、級位者向けの問題はほぼ全てパターン通りと考えて問題ありません。
詰碁を苦手と感じている級位者の多くは、基本形を知らずにやみくもに解こうとしてしまいがちです。
考える手がかりすらないので、どこから手をつけていいのか分かりなくなり、結果・・・
詰碁、つまらん!
となって、読んでいた詰碁の本を放り投げてしまうことになるのです汗
難しい詰碁も結局は基本形の応用
さっきも書いたように囲碁には基本形と呼ばれるパターンが決まっています。
で、ほとんどの問題はこの基本形から派生したものなんです。
ということは、基本形を覚えてしまえば、大体の詰碁は解けたも当然ということです。
少しひねった派生問題も、基本形をしっかりマスターしていれば考える道筋ができているので、それほど苦労せずに解くことができます。
詰碁を解く時のコツ
詰碁には基本形があるという話をしました。
では、どうやって基本形をマスターすればいいのか?
結論はとてもシンプル。
基本形をひたすら解いて覚える
ただ、これだけです。
「なんだ・・・結局詰碁を解かないとダメなのか・・・」とガッカリされるかもしれませんが、これは仕方がありません。
さすがに苦労せずに詰碁が解けるようになる方法はありません。
ただ、詰碁を解く時のコツはありますので、それを紹介していきます。
いきなり難しい問題に取り組む必要はない
これはもうそのままでして、難しい問題(少し考えても分からない問題)はまだ解く必要がありません。
代わりに少し考えれば正解できる問題を何回も解きましょう。
「基本の詰碁」みたいなタイトルで、基本形をメインにしている問題集だと効果が高いです。
ポイントは「何回も」というところで、ひと目見たら正解が分かるようになるまで、繰り返し繰り返し解きます。
形と正解を丸暗記してしまうくらいの勢いでいいです。
難しい問題を頑張って解く必要がない理由は単純で、基本形を覚える前だと効率が悪いから、です。
基本形をマスターしても考えないといけないようなレベルの問題を解くのは、もう少し先の勉強法になります。
【事実】有段者は基本形の詰碁を解く時、手を読んでいません
これは級位者からすると、「ハァ?」となるかもしれませんが、事実なので書いておきます。
有段者や高段者は、簡単な詰碁(初段くらいまでを対象)であれば手を読んだりなんかしていません。
「手を読まないでどうやって詰碁が解けるんだ!?」と言われそうですが、答えは上で書いた通りで、形で正解を覚えているのです。
特に基本形と言われる形は、ひと目見ただけで即座に正解が見えるようになっています。
・・・いや、そんなの無理だよ・・・
と思うかもしれませんが、心配いりません。
どんなに強い人でも初めはそんなことできなかったはずです。
もちろん私も級位者の時は簡単な死活を何度も間違って、実戦で大石を取られまくっていました。
でも、何度も何度も詰碁を解いていると、いつの間にか詰碁の問題を見るとぼんやり正解が見えてくるようになります。
即答できる必要はありません。
詰碁を見た時に、自分の知っている基本形のパターンのどれに当てはまるのか考え、正解の候補を出せるようになったら、それだけでかなり上達しているはずです。
後は出した候補に対して読みの裏付けを入れて、間違っていないかの確認をするだけなので、詰碁を解く速度も精度もグッと上がります。
棋力別のおすすめ詰碁本の紹介
入門〜級位者までを対象におすすめな詰碁の本を4冊、紹介します。
問題はできるだけたくさん解いた方がいいのは間違い無いのですが、まずはここで紹介している本を何度も繰り返し解くことをおすすめします。
一応、入門→初級→中級→上級という順番で紹介しているので、自分の棋力に合わせて選んでみてください。
自分の棋力がよく分からないという方は、とりあえず1つ目に紹介している「手筋と詰碁の超基本」がおすすめです。
・ 【入門】詰碁だけでなく、囲碁の基本を1から学べる本
ルールを覚えたばかりの人向けの問題集です。
石の連絡から、手筋の考え方、詰碁と、囲碁の基本中の基本を分かりやすく学ぶことができます。
まずはこの本を繰り返し解いて、基本形をマスターするといいと思います。
・ 【入門〜初級】本当の入門者から級位者までを対象とした1冊
初めの方は本当に入門者向けで、基本のキから説明してくれています。
途中からは級位者向けの詰碁が入っているので、この本を繰り返し読むと囲碁の知識が深まると思います。
問題数が詰碁:164問 手筋:154問、と充実しているのも嬉しいポイントです。
・ 【中級】詰碁の基本をマスターできる1冊
10級を卒業するとこの本がおすすめです。
基本的な詰碁が多く収録されているので、この本に出てくる形は全部丸暗記するくらいの気持ちで何度も解くといいですね。
サブタイトルにも書かれていますが、詰碁は反復練習が基本です。
・ 【上級】級位者から初段を目指すのに最適な1冊
レベル1〜5に分けて問題が構成されているので、初級者から上級者まで広く楽しむことができます。
レベル4、5は3〜1級くらいを対象としており、初段を目指すにはピッタリの難易度です。
全体を通じて綺麗な形の問題が多いので、この本も何度も繰り返し解いて、基本形としてマスターしてしまうといいと思います。
ブログやネットで情報収集をいくらしても詰碁の力は上がりません。
大事なのは得た知識を元にどう行動するかです。
上で紹介している本をポチってもいいですし、家にある詰碁の本でもいいので、この記事を読んだら、詰碁を解くという行動に移りましょう。
何のために詰碁を解いているか考えよう
最後は少し実戦的な話をして終わりたいと思います。
級位者の頃の自分に伝えてあげたい話でもあります。
詰碁というとウンウン唸って難しい問題を解くイメージが強いかもしれません。
そういうイメージを持っている人からすると、形を丸暗記してしまいましょうという方法に抵抗を感じる人もいると思います。
と言っている私もそのタイプでして、級位者の時から生意気にも「詰碁を解くのに一手一手考えないでどうするんだ!」とか言って、基本形の勉強を全然してきませんでした。
しかし、一度立ち止まって考えて欲しいのですが、詰碁を解く理由は一体なんでしょうか?
当たり前すぎてあまり考えないかもしれませんが、正解はほぼ1つのはず。
それは・・・
実際の対局で勝つため です。
詰碁や棋譜並べなど、囲碁の勉強法はたくさんありますが、どれも最終的な目標は対局で勝利することだと思います。
基本形というのは、囲碁の中でよく出てくるから基本形なのであって、それを知っているのと知らないのでは、雲泥の差があります。
基本形を丸暗記してマスターするのを嫌がり、「私は自分で考えるんだ!」と張り切っても、実戦で出てきた基本形に手こずって、たまに間違ってしまうようだと、なかなか勝利することはできません。
逆に基本形をマスターすることで、実戦でも簡単に石が取られたりすることはなくなりますので、結果的に勝率も上がってくることになります。
また、基本形を知っていると頭の中でそれらを組み合わせることができますので、似たような形でも応用ができるようになるというメリットもあります。
有段者や高段者になると、基本形を知っているだけでは解くことができない問題がたくさん出てきますので、嫌でも頭をひねって考える必要が出てきます。
読みの力はそこで鍛えればいいので、級位者の間は基本形を覚えるだけでぐんぐん強くなると思います。
基本形を一通り覚えたら、いつの間にか詰碁が解けるようになっているので、詰碁に対する苦手意識も少なくなっている・・・はずです。
まとめ
詰碁の解き方、コツに関する記事でした。
簡単にまとめておきますね。
- 囲碁には基本形がいくつも存在する。
- 詰碁の問題は基本形から作られているものが多い。
- 基本形は実戦でもよく出てくる。
- 基本形は形を丸暗記するのが詰碁が解けるようになるコツ。
詰碁は難しい問題を苦しんで解くものという固定概念を捨ててしまいましょう。
簡単な基本形をたくさん覚えると、自然と難しい問題も解けるようになってきます。
なぜなら、どんな問題も基本形から派生して作られているから。
級位者の間は基本形の詰碁をたくさん解いて、どんどん丸暗記していきましょう!
この記事の内容について、質問などがあればできる限りお答えしますので、ツイッターのDMか、問い合わせページからお願いします。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
次の記事でまたお会いしましょう!
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詰め碁が苦手ですがこのブログをみて紹介された本を買おうと思います