【第43期囲碁棋聖戦5局2日目】山下挑戦者が大フリカワリの超大激戦を制し2勝目!まだ勝負は分からない!【棋譜】
2月28日(木)に「第43期棋聖戦第5局2日目」が行われました。
場所は山梨県甲府市「 常磐ホテル 」です。
井山棋聖に山下九段が挑戦しています。
1日目の棋譜と感想はこちら。
»【第43期囲碁棋聖戦5局1日目】山下挑戦者の実利、井山棋聖の厚みという展開に!【棋譜】
序盤から右上隅で見たこともないような分かれになった1日目。
個人的には黒の山下挑戦者の実利が大きいような気がしましたが、形勢はどうだったのでしょうか。
右辺の白3子も少し心細い感じだったので、全局的に黒の方が有利かなと感じています。
上辺の黒に対して白の応手が封じ手となりました。
上辺から中央にかけては白の方が強い形ですので、ここでどれくらいポイントをあげられるのかが焦点です。
井山棋聖の3勝1敗でタイトル防衛に王手をかけている棋聖戦。
山下挑戦者は踏みとどまることができたのでしょうか!?
気になる第5局の結果を早速みていきましょう!
囲碁棋聖戦第5局の結果:黒番山下挑戦者の6目半勝ち!
結果は山下挑戦者の黒番6目半勝ちでした。
棋譜はこちらです。
封じ手予想がようやく当たりました(笑)
今回のは比較的分かりやすかったですね。
左上は黒がしっかりと収まって白が厚みを作る展開となりました。
その後、右辺の白3子のサバキ具合から中央の戦いに発展。
井山棋聖が積極的に仕掛けていく展開で、訳がわからない大激戦となりました。
最終的にはお互いの地面が100目を超える大フリカワリとなり、山下挑戦者が勝利を収めました。
なかなかタイトル戦の大舞台では見ることができないような激戦で、本当に見応え抜群でしたね。
最近の井山棋聖は特に厳しい手を選んでいるように思います。
以前から力強い手、厳しい手を打つタイプだったのですが、ここ数年、AIが登場してから更に厳しさが増しているように感じます。
韓国や中国の世界トップの碁を見ていても、こうした生きるか死ぬかの大激戦が多いですし、これが今の囲碁界の主流なんでしょうね。
たまに江戸時代の本因坊秀策の棋譜を並べたりすると、じっくりした布石から中盤の小競り合い、そして神経をすり減らすヨセという繊細な碁が多くて新鮮に感じます。
昔の日本はこうした碁がとても多かったのですけどね。
今や、韓国や中国の読みと力で圧倒する打ち方に屈し、その打ち方を必死に習得しようとしている格好です。
囲碁の打ち方に正解はありませんので、じっくりした碁がいいのか、戦い戦いに持っていった方がいいのか、善悪は不明です。
結果を求められるプロの世界なので、勝負に勝てばそれでいいのですから。
江戸時代から見ると、今の打ち方は大きく変わっています。
だからといって今の打ち方が正解というわけではないと思うので、また数百年後には今と全然違う打ち方が主流になっているでしょう。
いや、もしかしたら100年後にはAIが囲碁の正解をはじき出しているかも・・・?
それはそれで寂しいですが・・・
まとめ
山下挑戦者がカド番をしのぎ、大きな2勝目をあげました。
これで対戦成績は井山棋聖から見て、3勝2敗となりました。
やはり山下挑戦者の調子は決して悪くないと感じます。
この碁も井山棋聖の激しい仕掛けに対し、正確な対応が目立っていましたし、大フリカワリにしても冷静な判断で一気に勝負を決めました。
1日目から形勢がはっきり悪い時は少なかったのではないでしょうか。
しかし、井山棋聖も持ち前の積極的な仕掛けが多く、敗れたとはいえ調子を落としているというわけではないでしょう。
しかし、まだ3勝2敗とリードしているとはいえ、次の第6局を落とすと3勝3敗となり、勝負は最終第7局に持ち込まれます。
こうなると流れは追いついた山下挑戦者でしょう。
井山棋聖は何としても次の第6局で勝負を決めたいところですね。
大注目の第6局は3月7日(木)、8日(金)に神奈川県箱根町「ホテル花月園」で行われます。
大激戦を期待しましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
次の記事でまたお会いしましょう!
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