【第43期囲碁名人戦第6局1日目】井山名人のマネ碁?とても珍しい序盤戦に!【棋譜】

第43期囲碁名人戦第6局

10月22日(月)に「第43期名人戦第6局1日目」が行われました。

場所は静岡県熱海市「あたみ石亭」です。

 

ここまで井山名人が3勝、張栩挑戦者が2勝となっている第43期名人戦。

前局の第5局では張栩挑戦者がカド番を跳ね返し、大激戦を制して2勝目をあげました。

 

第5局は井山名人の妙手もあり、お互いの大石が差し違える大フリカワリとなった熱戦でした。

本当に名局だと思いますので、ぜひ碁盤に並べて臨場感を楽しんでみて下さい。

 

第1局~第5局の感想はこちらの記事に書いていますので、よかったらどうそ。

【第1局】

≫ 1日目:井山対張栩、ライバル対決再び! 【棋譜有り】

≫ 2日目:井山名人が先勝!コウを巡った大激戦でした!

 

【第2局】

≫ 1日目:井山名人の連勝か、張栩挑戦者が巻き返すか!? 【棋譜有り】

≫ 2日目:井山名人が激戦を制し、2連勝! 【棋譜】

 

 【第3局】

» 1日目:井山名人の新手から難しい戦いが続いています!【棋譜】

» 2日目:張栩挑戦者が大激戦を制して待望の1勝目!【棋譜】

 

 【第4局】

» 1日目:井山名人の厚み、張栩挑戦者の実利という分かれに!【棋譜】

» 2日目:井山名人が3勝目!タイトル防衛に王手!【棋譜】

 

 【第5局】

» 1日目:井山名人の防衛か!?張栩挑戦者がカド番を跳ね返せるか!?【棋譜】

» 2日目:張栩挑戦者が大フリカワリの大激戦を制して2勝目!【棋譜】

 

依然、井山名人がタイトル防衛に王手をかけている状況ですが、第5局を張栩挑戦者が制したことで、流れは張栩挑戦者に傾きつつあるような気がしています。

もし、この第6局を張栩挑戦者が勝利すると対戦成績は3勝3敗となり、最終第7局の結果で勝負が決まることとなります。

 

井山名人としてはここで何としても勝負を決めたいところでしょう。

 

それでは早速名人戦第6局1日目の内容をみていきます。

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名人戦第6局の棋譜と感想

1日目の棋譜です。

 

名人戦という大舞台ではとても珍しい、マネ碁のような形でスタートしました。

天元を中心とした完全な左右対称ではないので、本当のマネ碁ではないのですが、左上と右下で小目に対して小ゲイマガカリからのカケという、同じ形が出来上がりました。

 

白番の井山名人が仕掛けた格好で、この大一番で思い切った趣向ですね。

 

白がマネ碁をやめたタイミングは少し意外で、右上の形が決まった時点では若干黒が打ちやすいかなという印象です。

もちろん実際の形勢が良いとか悪いとかは、言えるような局面ではありません。

あくまで個人的な感覚です。

 

左下の分かれも面白い手順でして、囲碁には色々な打ち方があるんだと改めて考えさせられます。

特に白のサガリ2連発は私の頭には全くない打ち方だったので衝撃でした。

しかし、打たれてみると眼形をしっかりと確保しているので、十分考えられる打ち方です。

 

プロ棋士の柔軟な発想は本当にすごいですね。

私も固定観念にとらわれず、柔らかい発想ができるように努力します!

 

封じ手予想

では封じ手予想です!

左辺の白に黒がちょっかいをかけた局面です。

本格的に黒から仕掛けた感じではないので、黒は早々に切り上げて右辺に回る予定かなと思います。

考え出すとキリがないので、一番普通そうなアテにします。

第43期囲碁名人戦第6局封じ手予想

 

第5局に続いて、比較的穏やかな1日目となりました。

 

黒は全局的に厚い碁形なので、中央や上辺にどれくらいの地ができるかが焦点です。

 

対して白は地合いで先行しているものの、右下の白が少し不安材料です。

全局的に薄い形ですが、大きな被害を受けることなくまとめ上げることができれば、コミが物を言いそうな形をしています。

 

2日目も穏やかに進みそうな気がしますが、第5局では穏やかな封じ手の局面から一転、大フリカワリの大激戦へと発展しました。

もうどこから戦いが始まるか想像もできませんので、この第6局もどこかで大きな戦いが起こると予想します。

 

まとめ

井山名人の過密スケジュールが異常です。

 

10月のタイトル戦対局スケジュールを以下に書きますね。

  • 10日、11日・・・名人戦第4局(兵庫県)
  • 15日、16日・・・名人戦第5局(山梨県)
  • 19日・・・・・・天元戦第1局(福井県)
  • 22日、23日・・・名人戦第6局(静岡県)
  • 26日・・・・・・王座戦第1局(東京都)
  • 29日・・・・・・天元戦第2局(北海道)

 

過酷すぎます・・・

 

タイトル戦は前夜祭がありますので、実際にはこの日程の1日前には現地に入っていることになります。

ただでさえ体力、神経を大きく消耗するタイトル戦を、このスケジュールでこなすというのは、かなり厳しいと思います。

 

全国の移動だけでもかなり疲れそうですよね・・・

 

ちなみに全国各地でタイトル戦を行うのは、めったにプロ棋士の対局を見ることができない地方ファンへのサービスと言われています。

しかし、今の時代ではネットやテレビでプロの碁を観ることは簡単でして、さすがに時代遅れの文化ではないかなと感じますね。

 

確かにこの「全国各地でタイトル戦を打つ」という文化ができたころは、1人の棋士がタイトルを6つも7つも持つような事態は想定していなかったでしょう。

しかし、できれば対局者にはできる限り外部の影響を少なくしてあげて、純粋に囲碁と向き合えるような環境を整えてあげるべきでは、と個人的には感じますね。

 

最近はタイトル戦のネット配信が増えてきているので、とてもいい傾向だと感じています。

日本棋院の今後の改善に期待しましょう。

 

さて、個人的には黒番の張栩挑戦者の方が少し打ちやすいかなと感じる1日目でした。

もし張栩挑戦者が勝利すると、対戦成績は3勝3敗となり最終第7局を迎えることとなります。

はたしてどんな結果になるでしょうか!?

明日の進行、そして結果を楽しみにしたいと思います!

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次の記事でまたお会いしましょう!

 

 

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★第43期名人戦の他の対局をまとめました!★

 

過去のタイトル戦や古碁の棋譜は、こちらのページにまとめています。

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