【第44期囲碁天元戦第5局】井山天元がタイトル防衛で天元位4連覇!【棋譜】
12月19日(水)に「第44期天元戦第5局」が行われました。
場所は徳島県徳島市「徳島グランヴィリオホテル」です。
第1局、第3局を井山天元が勝利、第2局、第4局を山下挑戦者が勝利して迎えた最終第5局。
この対局に勝った方がタイトル獲得となる大一番です。
第1局〜第4局の棋譜、感想はこちらの記事になります。
【第1局】
【第2局】
» 山下挑戦者の半目勝ち!対戦成績は1勝1敗のタイに【棋譜】
【第3局】
» 井山天元が大石を取って快勝!タイトル防衛に王手をかけました! 【棋譜】
【第4局】
» 山下挑戦者がカド番を跳ね返して2勝目!勝負は最終局に!【棋譜】
第4局ではカド番に追い込まれた山下挑戦者が接戦を制して2勝目をあげました。
簡単に土俵を割らない粘り、精神力の強さは山下挑戦者の強みだと思います。
井山天元は並行して行われていた王座戦に続いて、この天元戦もフルセットまでもつれました。
数年前は誰が挑戦者になっても3連勝で勝負を決める、無類の強さを見せていましたが、周りの棋士も研究を重ねているのでしょう。
来年は井山天元からタイトルを奪う棋士が出てくる可能性は高いです。
さて、天元戦に話を戻しましょう。
山下挑戦者の9年ぶり天元獲得となるのか!?
それとも井山天元が4連覇として五冠を維持するのか!?
大注目の第5局の結果をさっそく見ていきましょう!
囲碁天元戦第5局の結果:井山天元の白番中押し勝ち!
結果は188手完、井山天元の白番中押し勝ちでした。
棋譜と感想はこちら。
井山天元が素晴らしい内容で勝利をおさめ、タイトル防衛を決めました!
中央の黒模様を白がうまく消したところで、白が少し打ちやすくなったような気がします。
白は各所に地面をしっかりと持っていましたので、黒模様を消したことで地合いの有利が明確となりました。
黒の山下挑戦者は中央にできた厚みをバックに、白になんとか食らいつこうと攻めの手を放ちましたが、井山天元の巧みな応手の前にどれも不発に終わりました。
山下挑戦者の調子が悪かったというよりは、井山天元の内容が充実していたように思います。
山下挑戦者は第2局、第4局で勝利し、タイトル獲得まであと一歩まで迫りました。
特に第4局は力強い内容で井山天元を押し切り、勢いに乗ったかと思ったのですが・・・
井山天元の壁は本当に分厚いですね。
井山天元が3勝2敗でタイトル防衛、天元位4連覇となりました。
来年の天元戦は名誉天元の称号をかけた戦いとなります。
※タイトル5連覇、もしくは通算10期で名誉称号を得ることができます。
現在囲碁界で名誉天元の称号を持っているのは林海峰名誉天元ただ1人です。
囲碁界2人目の名誉天元という快挙がなるか、今から注目です。
まとめ
今年の天元戦を振り返ると、やはり井山天元の過密日程が印象に残っています。
振り返ってみると、名人戦・王座戦・天元戦のすべてがフルセットとなったため、一時はこの3つのタイトル戦を同時に戦う必要がありました。
タイトル戦は日本各地を移動して対局しますので、対局以外でも体力を消耗したと思われます。
今の井山天元のように1人でタイトルを保持していることが、そもそも想定外なのかもしれませんが、今年の過密日程はさすがにもう少しなんとかならなかったのかと考えてしまいますね。
しかし名人を失ったとはいえ、王座と天元をフルセットの末に勝利し、タイトル防衛を果たしたのは本当に素晴らしいと思います。
井山天元は碁の技術はもちろん、精神力や体力の面でも超一流だと改めて実感した1年になりました。
年が明けたらすぐに棋聖戦が始まります。
棋聖戦の挑戦者は偶然にもこの天元戦と同じ山下敬吾九段です。
天元戦のリベンジとなるのか、今からとても楽しみなタイトル戦です。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
次の記事でまたお会いしましょう!
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★第44期天元戦の他の対局をまとめました!★
- 第1局・・・井山天元が大激戦を制して先勝!【棋譜】
- 第2局・・・山下挑戦者の半目勝ち!対戦成績は1勝1敗のタイに【棋譜】
- 第3局・・・井山天元が大石を取って快勝!タイトル防衛に王手をかけました! 【棋譜】
- 第4局・・・山下挑戦者がカド番を跳ね返して2勝目!勝負は最終局に!【棋譜】
- 第5局・・・この記事
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