【第43期囲碁名人戦第3局2日目】張栩挑戦者が大激戦を制して待望の1勝目!【棋譜】
9月26日(水)に「第43期名人戦第3局2日目」が行われました。
場所は鹿児島県鹿児島市「城山ホテル鹿児島」です。
井山名人に張栩九段が挑戦しています。
1日目の棋譜と感想はこちら。
» 【第43期囲碁名人戦第3局1日目】井山名人の新手から難しい戦いが続いています!【棋譜】
第1局、第2局と井山名人が連勝し、防衛に大きく前進しました。
張栩挑戦者としては、3連敗するとさすがに厳しくなってしまいますので、ここが踏ん張りどころとなっています。
先に感想を書きますが、この第3局も本当に素晴らしい名勝負でした。
両対局者とも勝利への執念がすごく、囲碁で1局を勝ちきるのは本当に大変なんだと改めて思い知らされました。
最後の最後までどちらが勝利するのか分からない熱戦を制したのはどちらなのか!?
さっそく気になる結果をみていきましょう!
囲碁名人戦第3局の結果:白番張栩挑戦者の4目半勝ち!
結果は張栩挑戦者の白番4目半勝ちでした。
棋譜はこちらです。
封じ手予想は外れ・・・
私の予想の一路上(中央寄り)なので、惜しいようにも見えますが、意図が全然違うような気がします。
私の予想した手は上辺で黒を収まろうとしたものですが、井山名人の封じ手は上辺を荒らすきっかけとして味を付けておき、右下に先着しようという狙いです。
盤面全体を俯瞰している、素晴らしい一手だと思います。
それにしても難しい碁でしたね・・・
棋譜の感想を書いていても、よく分からない場面が何度も出てきて困りました笑
張栩挑戦者が1日目から地合いでリードしましたが、井山名人は2日目に入ってジリジリ追い上げていきます。
大きなコウが発生し、そのフリカワリからまたコウが発生する・・・
もう見ていて何がなんだかさっぱり分からなくなるような碁でした。
一時は黒の井山名人の方が優勢のタイミングがあったようにも見えましたが、ヨセに入って張栩挑戦者が抜き去ったような印象です。
詳しくは分かりませんが、井山名人にミスがあったのかもしれません。
この碁も第2局同様、井山名人はヨセに入る前に秒読みになっていたそうです。
1手1分ではどんなに強い人でも間違えることがあると思います。
持ち時間の配分も対局の大きな要素ですね。
この碁の率直な感想は、「強い張栩挑戦者が戻ってきたな」ということです。
序盤は地合いで先行し、中盤はコウを使って局面をリードしていく。
ヨセに入ると得意の早打ちで残した持ち時間にモノを言わせて、正確にヨセて勝ち切る(または逆転する)。
タイトル戦で活躍されていた頃の鋭い打ちまわしが久しぶりに見れた気がします。
この名人戦、まだまだ一波乱も二波乱もありそうですね。
面白くなってきました!
まとめ
張栩挑戦者が1勝を返して、対戦成績は井山名人から見て2勝1敗となりました。
後から知ったのですが、張栩挑戦者が井山名人に公式戦で勝利するのは4年10ヶ月ぶりだそうです。
トッププロ同士でここまで長い間、勝てないというのは珍しいと思います。
同じ相手に負け続けると、どうしても苦手意識のようなものが出来てしまって、なかなか自分の力を出し切ることができなくなってしまいます。
この第3局をもし井山名人が勝利するようなことになれば、3連勝で防衛に王手をかけ、張栩挑戦者に一気にプレッシャーをかけることになっていました。
過去からの苦手意識に加えてのプレッシャーなので、そこからの4連勝はとても難しかったでしょう。
この1勝は苦手意識を払拭するとともに、「まだまだ自分の力が通用するんだ!」という自信にもつながってくると思います。
仮定の話ですが、次の第4局を張栩挑戦者が勝利して2勝2敗となれば、流れは完全に張栩挑戦者に傾くでしょう。
そういった意味では、井山名人にとっても次の第4局は負けられない1戦となりそうです。
やはり3勝目をあげてタイトル防衛に王手をかけるのは、精神的にもだいぶ大きいでしょうからね。
注目の第4局は10月10日(水)、11日(木)に兵庫県宝塚市「宝塚ホテル」で行われます。
棋譜を見ている限りでは、両対局者とも自分の持ち味を十分に発揮しているように感じます。
第4局でも大熱戦を期待したいと思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
次の記事でまたお会いしましょう!
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★第43期名人戦の他の対局をまとめました!★
- 第1局・・・井山対張栩、ライバル対決再び! 【棋譜有り】
- 第2局・・・井山名人の連勝か、張栩挑戦者が巻き返すか!? 【棋譜有り】
- 第3局・・・この記事
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