【囲碁棋士 】張栩九段のおすすめな棋譜・詰碁の本を紹介します!

2018-09-25

張栩九段おすすめ本

囲碁のプロ棋士、張栩九段のおすすめ本を紹介します。

 

これまで、数々のタイトルを獲得しており日本を代表するトップ棋士の1人です。

また、詰碁作成が大の得意として有名で、プロでも悩むような難解な詰碁集も出版しています。

もちろん、我々アマチュアでも勉強になる素晴らしい詰碁集です。

 

棋譜や詰碁以外にも、勝負に対する哲学の本も出版しています。

私も持っていますが、勝利に対する執念の大切さがよく分かる良本だと思います。

プロにとっては当然のことなのかもしれませんが、アマチュアにとっても対局にのぞむ際の心構えとして勉強になる点が多くありました。

 

この記事では、棋譜・詰碁・その他というジャンルでおすすめ本を紹介していきます。

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囲碁棋士、張栩九段について

張栩九段について簡単に紹介しておきます。

 

14歳でプロになって以降、数々の大会で活躍し、常に日本囲碁界をリードしてきたトップ棋士です。

※詳しくは日本棋院のHP参照。

  • 生年月日:1980年1月20日
  • 出身:台湾台北市
  • 林海峰名誉天元門下
  • 妻は小林泉美六段
  • 史上初の五冠王を達成、史上2人目のグランドスラム達成など、多数の記録を保持
  • 2018年9月時点で獲得タイトル数は39で、歴代7位

棋風は地に辛く、足早に打ち進めていくタイプです。

読みがとても深く正確で、早打ちとしても知られています。

早打ちということもあって終盤に時間を残すことが多く、ヨセ(終盤)がとても強い印象があります。

 

山下敬吾九段高尾紳路九段羽根直樹九段とともに「平成四天王」と呼ばれ、平成の囲碁界を牽引してきました。

平成20年辺りから井山九段が登場し、世代交代の戦いを今も繰り広げています。

※持っていたタイトルを全て井山九段に取られたが、今年は名人戦の挑戦者として七番勝負の真っ最中。

» 【第43期囲碁名人戦第1局1日目】井山対張栩、ライバル対決再び! 【棋譜有り】

 

張栩九段の棋譜おすすめ本

張栩九段の対局が収められている棋書は、その多くが絶版になっているようです。

なので、中古品ばかりになってしまいますが、おすすめの棋譜を紹介したいと思います。

 

タイトル戦であれば、朝日新聞社が「囲碁名人戦全記録」として毎年の名人戦を1冊の本にまとめています。

七番勝負はもちろん、挑戦者決定リーグ戦の全対局が収録されているため、とてもボリュームがあって勉強になる棋書です。

 

他のタイトル戦(本因坊戦や棋聖戦)もこうした本があればいいのですが、残念ながら出版されていません。

需要はあると思うんですが、やっぱり売れないという判断なのかな・・・

 

まだ、張栩九段の打碁集は出版されていませんので、棋譜の本は名人戦全記録を中心に紹介したいと思います。

 

 

張栩九段と同じ「平成四天王」高尾紳路九段との激闘、第32期名人戦です。

この名人戦は本当に名局が多く、両対局者の気迫と意地がひしひしと伝わってきます。

もし手に入れることができた場合は、ぜひ碁盤に並べて気迫を実際に感じてみてください。

 

 

当時20歳の新鋭、井山裕太八段の挑戦を受けた激戦が収められています。

世代交代とも言われた名人戦で、この第34期名人戦の敗退を皮切りに、張栩時代から井山時代に碁界は移り変わっていきました。

張栩九段の意地とプライド、井山八段の若さと勢いが真っ向からぶつかった名勝負は、何度並べても興奮してきます。

こちらも絶版となっており、中古しかないのがとても惜しいです。

 

棋譜の本は中古品ばかりで申し訳ありません・・・

日本を代表するトップ棋士なので、いつか名局を集めた打碁集が出版されると思っています。

張栩九段はファンも多くいるので、打碁集が出ればかなりの人気が出ると思うのですが、どうでしょうか。

 

張栩九段の詰碁おすすめ本

詰碁は張栩九段の十八番ということもあり、自作詰碁を集めた本を出版されています。

その問題は超難解なものから、シンプルながら気がつきにくい妙手まで、幅広く用意されており、張栩九段の詰碁創作力の凄さを改めて感じさせられます。

 

 

「張栩の詰碁」は棋力に応じた楽しみ方ができるように工夫された画期的な詰碁集です。

県代表クラスはノーヒントで、有段者はヒントのあるページから、級位者はある程度手順が進んだところから、と囲碁ファンの棋力を問わず取り組める内容になっています。

また、「文字詰碁」や「実戦詰碁」など詰碁の楽しさを再発見できる問題や、妻である小林泉美六段とのとても面白いコラムなど、詰碁だけでなく囲碁そのものを楽しむことができます。

 

 

上級者向けの詰碁なら、こちらの特選詰碁がおすすめです。

アマチュア高段者でも頭を悩ますような問題が55問収録されています。

一筋縄ではいかない読み筋が多く、実戦を想定した読みの訓練ができます

 

この記事をまとめながら知ったのですが、この2つの詰碁集も新品での販売は終了しているようです・・・

確かにどちらも10年近く前の出版なので、絶版になっていてもおかしくないのですが、それにしてももったいなく感じますね。

とても素晴らしい良書なので、構成を組み直し、新しい問題も加えて新書として出版してくれることを期待しましょう。

 

 

一風変わった詰碁(?)集も紹介しておきます。

なんと、4路盤の問題集です!

4×4のたった16の交点ですが、とても難解な変化がたくさん潜んでいます。

囲碁の奥深さを感じることができるとともに、張栩九段の柔軟な発想に感心すること間違いなしです。

 

張栩九段のその他おすすめ本

棋譜や詰碁以外にも張栩九段は囲碁関係の本を出版しています。

自分の得意分野をうまく書籍化しているなと感じます。

 

 

アマチュアにとって苦手分野になりがちな「コウ」を徹底的に解説した本です。

プロが一体どこまで考えてコウのやり取りをしているのか、その思考の一端を垣間見ることができます。

読み物としても面白いので、コウに苦手意識を持っている方はぜひ読んでみることをおすすめします。

 

 

張栩九段の勝負・勝利に対する考え方が凝縮された一冊です。

プロでも意識することが難しい、勝利への徹底的なこだわりがこと細かに書かれています。

囲碁に限らず、勝負事や日々の生活の中でもこの考え方を活かせる場面はきっとあると思います。

 

 

最後はおまけです。

詰碁のところで紹介した4路盤問題集の元となるゲーム「よんろのご」です。

碁石の代わりにりんごとなしを使い、石取りの基本から覚えることができます。

入門者から級位者まで、石を取るという囲碁の基本的な考え方について、スムーズに入っていけるのではないでしょうか。

私も持っていますが、子供がもう少し大きくなったら一緒に遊ぼうと考えています。

 

まとめ

張栩九段が出版、または関係している本を紹介しました。

 

予想以上に絶版になっている本が多くて、かなり意外でしたね。

人気がある本は重版がかかるでしょうから、そこまで人気があるというわけではないのかもしれませんが、個人的にはこの記事で紹介した本はどれもおすすめです。

 

井山九段が囲碁界のトップに立ってからはあまり元気がなかった張栩九段ですが、今年は9年ぶりに名人戦挑戦者となるなど、復活の兆しが出てきています。

名人戦の感想はこちらの記事で書いていますので、ぜひご覧ください。

» 【第43期囲碁名人戦第1局1日目】井山対張栩、ライバル対決再び! 【棋譜有り】

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次の記事でまたお会いしましょう!

 

 

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過去のタイトル戦や古碁の棋譜は、こちらのページにまとめています。

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