【第43期囲碁碁聖戦第1局結果】~棋譜コメント有り~許挑戦者が先勝!充実した内容で完勝に近い内容でした!
6月23日(土)に「第43期碁聖戦第1局」が行われました。
場所は石川県金沢市の「北國新聞会館」です。
現在の碁聖は「井山裕太碁聖」。
対する挑戦者は「許家元七段」です。
許挑戦者は台湾出身の20歳で、タイトル戦初挑戦になります。
入段5年目ですが、入段当初から各手合いで実績を残し、2016年度は勝率第一位賞、2017年度は最多勝利賞を受賞しています。
いつタイトル戦に出てきてもおかしくないと言われていた棋士が、ようやく大舞台に登場してきました。
井山碁聖は現在行われている本因坊戦では年上の山下敬吾九段から挑戦を受けていますが、徐々に年下からの挑戦というのも増えてきていますね。
これまで、一力遼八段、本木克弥八段など若手強豪の挑戦を退けてきた井山碁聖ですが、果たして今回の許家元七段はどうでしょうか。
結論から書きますと、この第1局は許挑戦者の素晴らしい内容で勝利しました。
井山碁聖が本来の実力を発揮できなかったようにも見えましたが、そうさせた許挑戦者の力を讃えるべきだと思います。
五番勝負の1局目を許挑戦者が制したことで、一気に面白くなりました!
それでは対局内容を早速見ていきましょう!
結果は許挑戦者の白番中押し勝ち!!
結果は226手完、許挑戦者の白番中押し勝ちでした。
棋譜と感想はこちら。
序盤は上辺でお互い星へ三々に入りあう流行の形でスタートしました。
互角の戦いが続いていると思いましたが、戦場が中央に移ってから許挑戦者は見事な判断と攻めを見せます。
私には井山碁聖にハッキリした疑問手があったようには思えないのですが、いつのまにか苦しい形勢となっていました。
中盤、井山碁聖がコウでしのぐしかない場面になったこと自体、誤算があったのかもしれません。
大コウの結果、許挑戦者がはっきりと優勢を確立させ、そのまま押し切りました。
井山碁聖がコウを仕掛けて失敗するのは珍しいです。
やはり何か誤算があったのか、それだけ許挑戦者の攻めが的確だったのでしょうか。
許挑戦者が苦しい場面は一度もなく、井山碁聖相手に堂々とした戦いぶりで勝利を収めました。
元々力強い攻めの棋風として知られていた許挑戦者ですが、タイトル戦に出て棋譜が多くのファンの目に触れたことで、一気に人気が出るかもしれませんね。
まとめ
許挑戦者は毎年のように好成績を収めており、いつタイトル戦の舞台に出てきてもおかしくないと言われていました。
タイトル戦初手合いでこの充実した内容には驚きましたが、元々の実力を考えれば当然の結果なのかもしれません。
対する井山碁聖はうまく自分のペースに持っていくことができませんでした。
並行して本因坊戦も戦っており、来週の土日には本因坊戦第5局があります。
七冠の宿命とはいえ、複数の挑戦者相手に過密スケジュールで手合いをこなす必要があるため、体力的にもかなり厳しいと思います。
タイトル戦は地方で行いますので、移動や前夜祭など、手合い以外のところでも時間や神経を使います。
井山碁聖はもう慣れているでしょうが、うまく調子をコントロールして、次の第2局では本来の力を発揮してほしいです。
対する許挑戦者は初戦を勝利した勢いを保って一気に連勝としたいところです。
相手は百戦錬磨の井山碁聖ですので、最後の最後まで勝負は分からないと思います。
また、この碁聖戦はyoutubeの日本棋院囲碁チャンネル 【公式】でライブ配信されていました。
お隣の将棋界では早くから動画配信とのコラボを進めており、タイトル戦などの大きな対局を中心に動画配信を行い、人気を博しています。
囲碁界でもようやく動画配信が始まってきて、ファンとしては嬉しい限りです。
ライブ配信だとタイトル戦の臨場感を感じることができたり、対局者の様子を見ることができるので、棋譜を並べる以外にも楽しさが増えます。
囲碁が分からない人もちょっと見てみようかなと思うことも出てくると思うので、新たなファンの獲得にも大きな効果があると思います。
今後もどんどん広まっていって欲しいですね。
さて、第2局の結果がシリーズの行方を占う大一番になりそうです。
許挑戦者が連勝すると一気にタイトル奪還に近づきます。
井山碁聖が勝って1勝1敗となると勝負の行方はもう分からなくなりますね。
注目の第2局は7月6日(金)に東京都千代田区「日本棋院」で行われます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
次の記事でまたお会いしましょう!
広告
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません