【第57期囲碁十段戦1局】井山十段が圧巻の内容で先勝!大激戦を制しました!【棋譜】
3月5日(火)に「第57期十段戦第1局」が行われました。
場所は大阪府東大阪市「大阪商業大学」です。
現在、十段のタイトルを持っているのは「井山裕太十段」。
3連覇中で4連覇をかけてのタイトル戦です。
対する挑戦者は「村川大介八段」。
昨年の第56期十段戦でも挑戦者になっており、2年連続での井山十段との番碁になります。
昨年の十段戦では3連敗で敗退している村川挑戦者。
リベンジとなる今回のタイトル戦は、とても強い気持ちで臨んでいると思います。
対する井山十段は現在棋聖戦を山下挑戦者と戦っている真っ最中です。
現在3勝2敗とリードはしているものの、2つのタイトル戦を同時に戦う難しさがあると思います。
特に今週はこの十段戦第1局の2日後に棋聖戦第6局がありますので、体力的にも厳しいものがありそうです。
村川挑戦者は井山十段とあまり相性が良くないのかなと勝手に思っています。
内容はほとんど差がないように見えるのですが、結果的に井山十段が勝利しているような碁が多くあります。
その僅かな差がタイトルを獲得できるかそうでないかの大きな違いなのかもしれません。
それでは、注目の第1局の結果を見ていきましょう!
囲碁十段戦第1局の結果:井山天元の白番中押し勝ち!
結果は184手完、井山天元の白番中押し勝ちでした。
棋譜と感想はこちら。
激しい乱打戦でしたね。
並べているだけで緊迫感が伝わってきました。
左上、上辺、下辺の順で難解な戦いが起こりました。
結果的には全部の戦いで井山十段がポイントをあげたように感じます。
読みの精度や大局観で村川挑戦者を上回った印象です。
左上の戦いで白が実利を取り、黒が厚みを作る展開になりました。
あの分かれが村川挑戦者の想定通りの進行だったのかが気になります。
左上で作った黒の厚みを活用して、上辺の白をもっと厳しく攻める予定だったのかもしれません
しかし、思いの外あっさりと上辺の白が生きてしまい、黒は下辺を広げるしかない形勢となってしまいました。
下辺でも白は堂々と入っていって、綺麗にシノギきり勝負を決めました。
村川挑戦者としては少し不完全燃焼の内容かもしれません。
上辺、下辺の井山十段のシノギはとても参考になる内容です。
私も何度も並べて勉強したいと思います。
まとめ
井山十段の力がしっかり発揮された1局だったと思います。
棋聖戦の疲れを微塵も感じさせない内容でした。
村川挑戦者は気持ちを切り替えて次の第2局に臨んでもらいたいです。
しかし、井山十段の体力、精神力の強さはすごいですね。
史上初めて七冠を獲得したのが2年前で、それからずっと日本囲碁界のトップとして君臨し続けています。
タイトル戦を1つ戦うだけでも大変と言われている中、数年にわたって戦い続ける体力、精神力は本当に素晴らしいと思います。
単純な棋力だけでいえば他のトップ棋士とほとんど差はないと感じます。
井山十段が他の日本の棋士よりも優れているのは、「勝負に対する執念」ではないでしょうか。
これまでのタイトル戦を見ていても、劣勢になった碁を粘って逆転するような勝ち方は決して少なくありません。
井山十段の粘りは見ている私たちアマチュアにとっても参考になることが多いです。
囲碁は逆転がとても多いゲームですので、ちょっとくらい劣勢になっても腐らずに最善を尽くす姿勢は常に忘れないようにしたいですね。
さて、十段戦ですが次の第2局を井山十段が勝利すると一気に王手をかけることになります。
村川挑戦者としてはそれは何とか阻止したいところですね。
大注目の第2局は3月29(金)に東京都千代田区「日本棋院」で行われます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
次の記事でまたお会いしましょう!
広告
★第57期十段戦の他の対局をまとめました!★
- 第1局・・・この記事
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません