【第66期囲碁王座戦第1局 】一力挑戦者が逆転勝ちで先勝!タイトル奪取に大きく前進 【棋譜】
10月26日(金)に「第66期王座戦第1局」が行われました。
場所は東京都目黒区「ホテル雅叙園東京」です。
井山裕太王座に一力遼八段が挑戦しています。
一力挑戦者は去年の王座戦でも挑戦者となっており、2年連続の挑戦となります。
去年の王座戦についてはこちらの記事をどうぞ。
» 【第65期囲碁王座戦第1局 】井山王座が先勝!七冠復帰後の初戦を白星で飾りました!!
井山王座と一力挑戦者といえば、去年の王座戦、天元戦、そして今年初めの棋聖戦を戦いました。
3タイトルを連続して戦う「十七番勝負」は史上初として、かなり話題にもなりましたね。
» 天元戦:井山天元が先勝!一力挑戦者も積極的な打ち回しで大熱戦となりました!!
» 棋聖戦:一力挑戦者の好局でしたが、井山棋聖が大逆転で先勝!!
結果は井山王座の全勝で終わったのですが、一力挑戦者はその後も各棋戦で活躍を続け、今年も王座戦の舞台に戻ってきました。
今年の一力挑戦者は9月に竜星戦優勝、10月に阿含・桐山杯優勝と、素晴らしい成績を残しています。
どうやら夏から秋、冬にかけて調子が上がってくるタイプなようですね。
今まで井山王座にはなかなか勝たせてもらえていない一力挑戦者ですが、今回の王座戦はどんな結果になるでしょうか。
注目の第1局の結果を早速見ていきましょう!
囲碁王座戦第1局の結果:白番一力挑戦者の2目半勝ち!
結果は285手完、一力挑戦者の白番2目半勝ちでした。
棋譜と感想はこちら。
序盤から井山王座の力強い打ちまわしが冴えました。
一力挑戦者は遅れないようにじっくり付いていく辛抱の展開。
中盤では大きなコウを巡っての難解な戦いが起こりましたが、その結果井山王座がはっきりと優勢に立ちました。
井山王座は形勢が良くなりすぎて油断したのかもしれません。
ヨセに入ってから一力挑戦者が猛烈に粘ります。
井山王座の緩みもあったのか、大ヨセが終わる時点では形勢は逆転し、一力挑戦者のコミがかりの形勢に。
そこからの再逆転はなく、終わってみればキッチリ2目半、一力挑戦者が残しました。
一力挑戦者の正確な形勢判断とヨセの手順が光った1局だったと思います。
井山王座からするとかなり痛い敗戦ですね。
10月は名人戦、天元戦を並行して戦っており、異常なほどの過密スケジュールとなっています。
王座戦が長引くとなると、さらにスケジュールが厳しくなりそうです。
井山王座の逆転負けはあまり見ないので、体力的な疲れもあるのかもしれませんね。
人間はAIと違って体力面や精神面の影響をもろに受けます。
いわゆる「心技体」というやつで、囲碁の技術だけが優れていても徹夜明けの寝不足では良い碁は打てないですよね。
また、体力が満タンでもプライベートでなにか気がかりなことがあって囲碁に集中できない状態では、これもまた良い碁は打てないわけです。
トップ棋士の間では囲碁の技術の差は本当にわずかしかありません。
その中で勝負の結果を左右するのは、体力面や精神面の充実具合だと思います。
この碁を見る限りでは、一力挑戦者の充実度は素晴らしいものがあります。
井山王座はかなり厳しい戦いを強いられるかもしれませんね。
まとめ
一力挑戦者が嬉しい1勝目をあげました。
去年の王座戦では3連敗で敗れており、この1勝は井山王座への苦手意識を払拭するという意味でも大きな1勝だと思います。
内容は押され気味でしたが、諦めずに最後まで粘る姿勢は見事でした。
井山王座もそうですが、やはり強い棋士はそう簡単に諦めるということをしませんね。
最後の最後まで諦めずに最善を尽くすということが、強くなる上で一番大事なことなのかもしれません。
井山王座は苦しいスタートとなりました。
張栩九段と戦っている名人戦では第5局、第6局と敗れており、連敗となっています。
体力的にも精神的にも大変だと思いますが、気持ちを切り替えて次の対局に臨んでもらいたいですね。
一力挑戦者が先勝したことで、勝負の行方はまったく分からなくなった王座戦。
第2局の結果がとても楽しみです!
注目の第2局は11月17(土)に三重県志摩市「志摩観光ホテル」で行われます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
次の記事でまたお会いしましょう!
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