「死ぬほど読書」本を読むということの本質を教えてくれました 【書評】
丹羽宇一郎氏著書の「死ぬほど読書」を読みました。
最近、読書にハマっているのですが、この本をもっと前に読んでおきたかったと後悔しています。
習慣として読書をする人も、滅多に読書をしないという人も、この本は読んでもらいたいと感じる1冊です。
本の選び方、読み方、活かし方、楽しみ方をあらゆる角度から解説しています。
これから先、たくさんの本を読むと思いますが、常に手元に置いてふとした時に読み返したいなと感じる素晴らしい本です。
著者情報
著者の丹羽宇一郎氏について簡単に紹介します。
1939年 愛知県出身。
伊藤忠商事(株)の社長、会長を歴任。
2010年、民間出身では初の駐中国大使に就任。
現在は早稲田大学特命教授、伊藤忠商事名誉理事。
伊藤忠商事社長時代には、約4,000億円の不良債権を一括処理しながらも、翌年度の決算で同社の史上最高益を計上し、世間を驚かせました。
日本郵政の取締役も歴任しており、とても著名な方です。
「無知の知」を知る
丹羽氏は、人間にとって一番大事なことは「自分は何も知らない」と自覚することと述べ、「無知の知」の重要性を解説しています。
人間にとって一番大切なのは、「自分は何も知らない」と自覚することだと私は思います。
「無知の知」を知る。
読書はそのことを、身をもって教えてくれます。
本を読めば知識が増え、この世界のことを幾分か知ったような気になりますが、同時にまだまだ知らないこともたくさんあると、それとなく気づかせてくれます。
〜p27 第1章 本に代わるものはない〜
無知の知については、様々な本でも語られることが多いワードですが、ここまでしっくりと自分の中に落ちてきた本は初めてでした。
世界はあまりにも広いにもかかわらず、人の一生はあまりにも短い。
人間がどんなに頑張っても、一生で知りうる知識などたかが知れていると気付かされました。
また、人間の教養についてもとても参考になることを書かれています。
私が考える教養の条件とは、「自分が知らないということを知っている」ことと、「相手の立場に立ってものごとが考えられる」ことの2つです。
〜p41 第1章 本に代わるものはない〜
教養というと単に知識が多くあるということだけを考えてしまいそうですが、知識だけでは教養があるとは言えないと述べています。
人生において人との繋がりは決して避けることはできません。
相手の立場になってものを考えることができない人は、どれだけ知識があっても教養があるとは言えないということです。
これは100%同意します。
仕事をしていると高学歴な人でも、相手のことを考えない言動を取る人が多くいます。
たとえその人が優秀であったとしても、その人を教養がある人とは呼ばないでしょう。
私も教養がある人と認められるように、無知の知と合わせて意識していきたいと思います。
どんな本を読むべきか
本の選び方について、興味深い内容がたくさんありました。
- 書評はあまり信頼できない
- ハウツー本は読まない
- 古典の値打ち
- ベストセラーの読む価値
- 週刊誌は読書?
- 理解できない本は著者にも問題がある
これらについて、実体験を交えながらわかりやすく解説されています。
どれも納得がいくものばかりで、本の選び方について改めて考えさせられました。
個人的には「古典」の考え方が印象的でした。
今までほとんど読んだことがなかったのですが、今はとりあえず読んでみたいと思うようになっています。
今度、本屋の古典コーナーをぶらぶら歩いて気になった本を読んでみようと思います。
頭を使った本の読み方
今の若い人は論理的にものを考える力が弱くなっていると述べています。
他人の主張をダメだと思っても、それを自分の頭で考えて言葉にすることが苦手な人が増えているということです。
確かに私も漠然とした自分の考えを整理して口から出すのが苦手と感じています・・・
論理的に考える力を身に付けるには、やはり読書が効果的とのこと。
本は「なぜ?」「どうして?」と考えながら読めば、それだけで考える力が磨かれるのです。
考える力は生きていく力に直結します。
それは何よりも読書によって培われるのです。
〜p82 第3章 頭を使う読書の効用〜
一方で、本をなんとなく読んでも論理的にものを考える力がつくわけではないとしています。
小説でも経済書でも歴史書でも、どんなジャンルの本であっても「なぜ?」「どうして?」と考えながら読むことが重要です。
ノートを使った読書法についても書かれています。
本を読んでいて印象に残った箇所に、線を引いたり、付箋を貼ったり、余白にメモを取ります。
これは多くの人がされていると思いますが、丹羽氏はそこからもう一歩先に進みます。
そして読み終えた後に、もう一度傍線を引いた箇所やメモを読み返す。
そのなかから「これは重要だ」「覚えておかなくては」と思ったものをノートに書き写します。
〜p107 第4章 本を読まない日はない〜
ノートに書き写すことで、五感を使うことになるため、頭に残りやすくなるとのことです。
線を引いただけでは、読み返すことは滅多になく、ただ引いて終わりでは自己満足にすぎないとバッサリと言い切っています。
私はこれを読んで、簡単でもいいから読書ノートを付けようかなと考えました。
1冊の本を読んで、心に刺さるフレーズはそう多くありません。
せっかく自分の心が何かを感じたのですから、どうせならそれを記録しておこうと思います。
本にお金は惜しまない
本は身銭を切って読むべきだとしています。
借りるのに比べて、お金を使って本を選んだという意識が、本に対する意気込みを変えると述べています。
本にお金を使うことは自分のための投資であり、後からいろいろな形となって必ず生きてくるとも。
これは今とても参考にさせてもらっているマナブさんもはっきりと言っています。
» アフィリエイトで稼ぐ僕が”普段の生活”で意識している事【手順も解説】
当たり前ですが、大きな成果を上げている人はもれなく自分のスキル向上のために投資をしています。
投資そのものが投資しない人との差別化になるため、他の人から一歩抜きん出るには当然の行為なのでしょう。
私は今図書館を活用して読書習慣を作ろうとしていますが、本当に気になった本については身銭を切ることも検討していきたいと思います。
読書と人生と仕事について
読書というテーマを飛び越えて、仕事に対する考えを述べられています。
読書だけで心が豊かになるかと言えばそうではなく、やはり仕事を通じて人間というものと向き合うことが必要としています。
仕事の内容は何でもよくて、人間を相手にして、目標に向かって力を合わせるという行為を通じて、人生というものを本当の意味で体験できると述べています。
とても賛同できる考え方で、私も生きていく上で「仕事」というものはとても重要な要素だと考えています。
気に入らない上司、ソリが合わない同僚、嫌でも頭を下げないといけない取引先・・・
仕事をしているとたくさんの不条理に直面します。
一方で、目標を突破した時の達成感や、取引先から一言「ありがとう」と言われた時の喜びなど。
仕事はお金以外に多くのやりがいと経験を与えてくれます。
人生を豊かなものにするには、読書が大きな役割を果たしてくれますが、それ以上に仕事というものとどう向き合っていくかを考えることが重要だと思います。
お金持ちになって、仕事をしないで遊び暮らす。
それこそが最高に幸せな生き方だと思っている人は、仕事が本来どういう意味を持っているのか、人生においていかにそれが大切なのかが、いまだ理解できていないのではないかと思います。
〜p156 第5章 読書の真価は生き方に表れる〜
まとめ
とても考えさせられることが多い本でした。
読書を通じて人生を豊かにしていける、そんな希望に満ちた考えを持たせてくれる良書です。
記事では詳しく書けませんでしたが、スランプに対する記述もとても興味深かったです。
元々の実力がたいしたことないのに、自己採点が甘いゆえに、ちょっとしたことで調子が悪いと気になる。
調子が悪くてだめなときが、自分の本来の実力だと思えば、スランプになど陥りようがありません。
〜p163 第6章 本の底力〜
とても手厳しいですが、真意だと思います。
調子が悪いなどと悩む暇があったら、これが自分の実力だと開き直って行動しろ、ということですね。
他にもたくさん参考になる意見がありましたが、書ききれませんのでこの辺りにしておきます。
とてもおすすめできる本ですので、ぜひ実際に手にとって読んでみてください。
楽しいから読む。わくわくするから読む。心が潤うから読む。
そういう気持ちで読むから本はいいのです。
読書は無償の行為ゆえに無上の値打ちを持っているのです。
〜p102 第3章 頭を使う読書の効用〜
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
次の記事でまたお会いしましょう!
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