【第43期囲碁碁聖戦第3局結果】~棋譜コメント有り~許挑戦者が3連勝で新碁聖に!井山七冠は六冠へ後退!
8月3日(金)に「第43期碁聖戦第3局」が行われました。
場所は大阪府大阪市「日本棋院関西総本部」です。
第1局、第2局と許挑戦者が勝利!
2連勝でタイトル奪還に王手をかけています。
第1局と第2局の感想はこちら。
井山碁聖がカド番に追い込まれるのは、あまり見かけない光景です。
井山碁聖の調子が悪いかどうかは分かりませんが、何よりも許挑戦者の内容が素晴らしい。
初のタイトル戦とは思えないほど堂々とした打ち振りで、井山碁聖を圧倒する内容で2連勝しています。
タイトル奪取というプレッシャーに打ち勝って、この第3局も自分の碁を打つことができるのか。
それとも井山碁聖が七冠の意地を見せて待望の1勝を返すのか。
気になる対局結果を早速見ていきましょう!
結果は許挑戦者の白番中押し勝ち!タイトル奪取です!
結果は224手完、許挑戦者の白番中押し勝ちでした。
棋譜と感想はこちら。
許挑戦者、本当に強かったです。
井山碁聖を寄せ付けない強さを見せて、見事3連勝で碁聖位を奪取しました!
許新碁聖の誕生です。
序盤、右上で井山碁聖の石がダンゴとなってしまい、少し打ちにくい印象を持ちました。
左辺から中央にかけて始まった戦いでは、許挑戦者は一歩も下がることなく真っ正面から打ち合い、井山碁聖からポイントをあげます。
井山碁聖も意地の粘りを見せて、大模様に入ってきた白が生きるか死ぬかの決戦まで持ち込んだのですが・・・
許挑戦者は的確なシノギを見せて勝負を決めました。
この碁に限らず、第1局と第2局もですが、井山碁聖は少し趣向を凝らした手を多く打っていたように思います。
年下の新鋭、許挑戦者を試すではないでしょうが、色々な手を打って相手の力を見極めたいという気持ちがあったのかもしれません。
とにかくこの碁聖戦は許挑戦者の強さが際立っていました。
力の強いハードパンチャーという棋風とは聞いていましたが、読みがとても深くて隙が見当たりません。
名前も一気に有名になるでしょうし、アマチュア受けしそうな棋風でもあるので、一気にファンが増えるかもしれませんね。
まとめ
井山七冠は碁聖の失冠により六冠に後退しました。
七冠の日数は290日だったそうです。
ちなみに1回目の七冠は197日だったので、合わせると1年以上七冠だったことになるんですね。
これだけの長期間、日本のタイトルを1人で背負い、1人プレッシャーと戦ってきたというのは、本当に素晴らしいと感じます。
余計なプレッシャーから解放されて、今まで以上に力強い井山六冠の碁が見れることを楽しみにしたいと思います。
そして、囲碁界にニュースターが誕生しました。
許家元八段です。(今回の碁聖獲得で八段に昇段)
台湾生まれの今年21歳。
新人王戦優勝、阿含・桐山杯準優勝など、国内では既に多くの実績をあげています。
また、グロービス杯世界囲碁U-20では2回準優勝するなど、世界の強豪とも互角に戦っており、将来を期待されていた新鋭棋士です。
タイトル戦には遅かれ早かれ登場すると言われていましたが、初タイトル戦であるこの碁聖戦でしっかりと結果を出したのは見事でした。
入段から5年4ヶ月での七大タイトル獲得は史上最年少です。
追う立場から追われる立場になると、精神的にも変化が出てくるかと思いますが、心身ともにしっかり鍛えて世界でも活躍できるような棋士になってもらいたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
次の記事でまたお会いしましょう!
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