【第43期囲碁名人戦第1局1日目】井山対張栩、ライバル対決再び! 【棋譜有り】

2018-09-13

第43期囲碁名人戦第1局1日目

8月28日(火)に「第43期名人戦第1局1日目」が行われました。

場所は東京都文京区「ホテル椿山荘東京」です。

 

名人は現在碁聖を除く六冠を保持している井山名人。

対する挑戦者は9年ぶりに名人戦の舞台に戻ってきた張栩九段です。

 

井山名人は6月〜8月に打たれた碁聖戦で許家元九段に3連敗を喫し、290日保持していた七冠から六冠になりました。

碁聖戦の詳細な記事は当ブログでも書いています。

»【第43期囲碁碁聖戦第1局結果】~棋譜コメント有り~許挑戦者が先勝!充実した内容で完勝に近い内容でした!

»【第43期囲碁碁聖戦第1局結果】~棋譜コメント有り~許挑戦者が先勝!充実した内容で完勝に近い内容でした!

»【第43期囲碁碁聖戦第3局結果】~棋譜コメント有り~許挑戦者が3連勝で新碁聖に!井山七冠は六冠へ後退!

 

碁聖戦は井山名人の調子が悪かったというよりも、許碁聖の勢いが凄まじかったという印象です。

井山名人は既に気持ちを切り替えて、碁聖戦の結果を引きずらず、この名人戦に照準を合わせていると思います。

 

対する張栩挑戦者は名人戦挑戦者決定リーグで8戦全勝と圧倒的な強さで挑戦者に名乗りをあげました。

張栩挑戦者といえば、2009年に五冠を達成し、2000年代の碁界を牽引してきた棋士です。

2012年に棋聖のタイトルを井山名人に奪われて無冠になって以降、タイトル戦の舞台から遠ざかっていましたが、再び名人戦の大舞台に帰ってきました。

 

個人的に井山名人も張挑戦者も大好きな棋士なので、この2人の対局を見ることができるのはとても嬉しいです!

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井山裕太対張栩について

井山対張栩といえば、2009年〜2012年にかけて碁界の覇権を巡り激戦を繰り広げた好カードです。

当時複数のタイトルを持っていた張栩挑戦者から、1つまた1つと井山名人がタイトルを奪還していき、最終的には全てのタイトルを張栩挑戦者から奪取することとなりました。

張栩挑戦者からすれば覇権争いに敗れたことになるので、因縁の相手と表現されることも多いですね。

ちなみに、これまでの対戦成績は井山名人から見て34勝26敗だそうです。

 

お互い最大のライバルと認め合っているでしょうし、この2人の対局からはいつもすごい迫力が伝わってきます。

「こいつにだけは負けたくない!」という気持ちがお互いにあるのかもしれませんね。

両対局者とも一切妥協せず常に厳しい手を追求するタイプですので、必然的に碁の内容も激しく難しい碁になることが多いです。

どちらも読みがとても深くて正確な棋士なので、私なんかでは一手一手の意味が分からないことも多々あります汗

しかし、棋譜から伝わる気迫だったり、苦心の跡を見て、いつも勉強させてもらっています。

 

この名人戦ではどんな名勝負が生まれるんでしょうか。

この好カードのタイトル戦を再び見ることができる喜びを噛み締めながら、今この記事を書いています。

 

それでは、さっそく1日目の感想と封じ手予想をしていきたいと思います!

名人戦第1局の棋譜と感想

1日目の棋譜です。

 

1日目からものすごい碁になりましたね。

左下の抜き跡が激戦を物語っています。

 

どちらかというと張挑戦者から積極的に仕掛けていったような印象です。

やはり久しぶりのタイトル戦とあって、より激しい手を選んでしまうのでしょうか。

 

形勢判断がとても難しい碁ですが、個人的には黒の井山名人の方が打ちやすいかなと感じています。

やはり左下の確定地はとても大きいです。

下辺から中央にかけての白模様を黒が上手く消すことができたら、地合いで黒が有利ではないでしょうか。

 

しかし、相手は張挑戦者です。

勝負に対する執念が特に強く、チャンスをつかむ力もずば抜けて高いです。

井山名人の一瞬の隙で形勢がひっくり返る可能性も十分ありますので、2日目も目が離せない進行になりそうです。

 

封じ手予想

では封じ手予想です!

封じ手直前の白の手はかなり頑張った手という印象。

黒とすれば強気で仕掛けていくのか、冷静に打つのか。

大局観が問われる局面です。

 

第一感だったツケを予想します!

第43期囲碁名人戦第1局1日目

 

やはり、直前の白のヒラキは頑張りすぎで薄いと思います。

難しい変化になりそうですが、ツケていって黒が戦えそうだと判断しました。

 

封じ手時点では見えている地だけでいうと黒の方が多いです。

白は左下の強烈な厚みをどのように使うかがポイントですね。

右下の戦いで上手く白の厚みが活きてくるような展開になると、白も有望なんですが、果たしてどんな展開になるでしょうか。

 

張挑戦者はヨセが強く、プロ棋士の中でも特に正確と言われています。

細かい碁になると張挑戦者にもチャンスがありそうです。

終盤まで勝負がどっちに転ぶか分からない、難しい2日目になりそうな予感がしますね。

 

また、コウにもとても強いことで有名です。

少し古いですが、この本などは実戦的なコウの考え方が書かれている良本だと思います。

内容は少々高度ですが、プロはどんなことを考えながらコウを戦っているのか、その一端だけでも見ることができます。

コウに対して苦手意識を持っている方は一度読んでみることをおすすめします。

 

まとめ

張栩九段が名人戦の挑戦者に決まった時は本当に嬉しかったです。

「井山対張栩の七番勝負がまた見ることができる!」と、1人テンションが上がっていました。

 

井山対張栩のタイトル戦は本当に迫力があって、並べているだけでもとても楽しめます。

私も持っていますが、この第34期名人戦なんかは新鋭井山挑戦者と、第一人者の張栩名人による熾烈な戦いが繰り広げられています。

まさしく「激戦」という言葉がピッタリなタイトル戦ですので、興味がある方はぜひ読んでみてください。

棋譜を読む時は、面倒でも実際に碁盤に並べてみることをおすすめします。

今回の名人戦ではどんなドラマが生まれるのか、今からワクワクします。

井山名人が防衛を果たし、六冠をキープするのか。

張挑戦者が待望の名人返り咲きを果たすのか。

 

タイトル戦の第1局は勢いを付ける意味でも重要な対局になります。

明日の結果が今から楽しみですね。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次の記事でまたお会いしましょう!

 

 

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★第43期名人戦の他の対局をまとめました!★

 

過去のタイトル戦や古碁の棋譜は、こちらのページにまとめています。

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