井山裕太七冠、羽生善治永世七冠の国民栄誉賞受賞で思うことを書いてみる
本日、1月5日の閣議によって井山裕太七冠と羽生善治永世七冠の国民栄誉賞受賞が正式に決定しました!
本当におめでとうございます!!
井山裕太七冠や各関係者のコメントは日本棋院のHPに掲載されています。
国民栄誉賞の受賞というのは囲碁界、将棋界にとって初めての出来事であり、歴史的な快挙であることは間違いありません。
今日はこの件について思うことを書いていきたいと思います。
何がそんなにすごいの?
まず、囲碁や将棋をあまり知らない方はそもそも何がそんなにすごいのか分からないかもしれませんね。
七冠ってどのタイトルを指しているの?
永世って何?
という方もいるかもしれません。
というわけで簡単に説明します。
囲碁の七冠
囲碁の対象タイトルは以下の7つになります。
- 棋聖
- 名人
- 本因坊
- 王座
- 天元
- 碁聖
- 十段
将棋の七冠
将棋の対象タイトルは以下の7つになります。
- 竜王
- 名人
- 王位
- 王座
- 棋王
- 王将
- 棋聖
井山七冠が達成した七冠独占はイメージがつきやすいと思います。
この7つのタイトルを同時に保持することを指します。
将棋界では羽生永世七冠が1995年に達成して話題になりましたね。
囲碁界では2016年に井山七冠が囲碁界史上初めて達成しました。
しかし、その年の名人戦で敗れ一度六冠に後退します。
そこから6つ全てのタイトル戦で防衛し、翌2017年の名人戦挑戦者となり、見事名人奪取に成功しました。
囲碁界・将棋界を通じて初となる、2度目の七冠独占です。
井山七冠の国民栄誉賞受賞は、この2度目の七冠独占が大きく評価されました。
では、羽生善治永世七冠が達成したと言われる永世とは何でしょう?
将棋界では各タイトルによって以下の条件を満たすことで永世称号を名乗ることができます。
- 竜王・・・5連覇または通算7期
- 名人・・・通算5期
- 王位・・・5連覇または通算10期
- 王座・・・5連覇または通算10期(王座のみ名誉称号)
- 棋王・・・5連覇
- 王将・・・通算10期
- 棋聖・・・通算5期
昨年、羽生永世七冠は竜王を奪取し、唯一持っていなかった永世竜王の資格を手にしました。
これにより、7大タイトル全てで永世(名誉)称号を取得したのです。
これは七冠王よりも大変なことで、長く第一線で活躍していないと達成できない称号です。
40歳を超えて、体力的にも精神的にも厳しい戦いが続いていると思いますが、その中でこの偉業を達成したのは本当に素晴らしいと思います。
ちなみに囲碁界では永世ではなく名誉称号となります。
条件は7大タイトル全て共通で、5連覇または通算10期となっています。
棋力以上に大切なこと
井山裕太、羽生善治両氏の経歴や偉業達成までの推移については他のサイトやテレビでも取り上げられているので、ここでは深く書きません。
そこで私が思う、この偉業から少しでも学べる点を書いてみたいと思います。
七冠独占、永世七冠達成・・・どちらも勝負の世界で勝ち続けてきたからこそ達成できた結果になります。
囲碁や将棋をされている方なら分かると思いますが、タイトルに挑戦すること自体、並大抵のことではありません。
熾烈な挑戦者争いを勝ち抜いて、現タイトルホルダーからタイトルを奪う必要があるのです。
見事、タイトル奪取に成功した場合は来年から防衛戦が始まります。
タイトルを守るには挑戦者争いを勝ち抜いた一流棋士と戦い、勝利する必要があります。
1つのタイトルを取得し、防衛するだけでもとても大変なことなのです。
そして7つのタイトルを同時に保持することが七冠ということになります。
これは普通では考えられないような、とてつもなく凄いことです。
昨年の井山七冠のタイトル戦を見ていると、苦しい碁を逆転で勝利したような内容もたくさんありました。
いくら井山七冠が強いといっても相手も超一流棋士ばかりなので、苦戦したり敗戦することもあります。
トッププロの間では棋力の差なんてほとんど無いと思います。
ではなぜ井山七冠は勝ち続けることができるのか?
それは精神力の強さだと私は思います。
井山七冠は精神力が並外れに強く、決して諦めず勝利の可能性を信じて打ち続ける印象があります。
その気迫に相手が押されたかどうか分かりませんが、いつの間にか逆転しているという碁がいくつもありました。
どんな局面になっても諦めず、苦境を打開する次の一手を探し続ける姿勢を見習うべきだと思います。
これは囲碁や将棋だけでなく、仕事やプライベートでも活用できそうです。
仕事で苦しい場面、たくさんありますよね。
そこで諦めて丸投げしてしまうのではなく、乗り越える方法を限界まで考える姿勢が大事だと思います。
考えて、やれる事をやり切ってダメだったのなら満足もいくでしょう。
結果は失敗でも次へとつながる失敗です。
囲碁でも仕事でも、諦めない精神力を今年は鍛えていきたいと強く思いました。
まとめ
2018年は新年早々から良いニュースでスタートできました。
昨年は将棋界が大きく盛り上がった1年でしたね。
藤井四段フィーバー、加藤一二三氏の活躍、そして羽生善治永世七冠誕生。
囲碁界もAIの躍動で違う意味で盛り上がっていたのですけど汗
井山七冠が国民栄誉賞受賞ということで、囲碁界にも多少なりとも注目が集まるようになったのは嬉しいことです。
これを機に少しでも囲碁に興味を持ってくれる人が増えたらいいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
次の記事でまたお会いしましょう!
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